酸素流量計

呼吸器

皆さんの施設にはどのタイプの酸素流量計が採用されていますか?
ここではそれぞれの流量計の特徴と使い分けを解説していきます。

流量計によって使える酸素療法器具が違うので、可能であれば使用用途別に保管場所を変えたり、わかりやすいよう表示をしたり、院内へおしらせを配布するなどできるといいですね。

酸素療法器具についてはこちらを参考にどうぞ

フロートタイプ

流量設定つまみを回すことで酸素流出量を調整し、フロートの位置で設定するタイプです。
フロートタイプの流量計は分解修理がしやすく、流量の誤差が少ないため管理しやすいのが特徴です。
個人的には後述のダイアルタイプより信頼できるのでこちらの方が好きです。

しかし、流量設定つまみが動きやすく、吸引の際などにうっかり触れてしまい、設定が変わってしまうなどの危険があります。
また、設定値が見にくいのも設定ミスに気が付きにくい要因です。

フロートの形状が球の場合は球の中心線で流量を見ます。
フロートの形状がコマの場合は一番上のラインで流量を見ます。

フロート式には内部構造の違いにより2種類あります。
それぞれの特徴を理解したうえで選定しましょう。

大気圧式

こちらの構造は配管圧を流量調節つまみでせき止めているため、流量計の内部は大気圧で管理されています。
酸素流量計の内圧が弱いため、高流量が必要な酸素療法器具を使用すると酸素流量に誤差が出ます。

大気圧式の酸素流量計を使用する場合は、低流量酸素器具(鼻カニューラ、簡易酸素マスク、リザーバー付きマスク、開放型酸素マスク)に対してのみにしましょう。

恒圧式

こちらの構造は酸素流量計の出口を流量調整つまみでせき止めているため、流量計内部に恒に酸素配管圧がかかっています。
大気圧式と比べて酸素流量計の内圧が高いため、高流量が必要な酸素療法器具を使用できます。

恒圧式の酸素流量計には内部の目盛りに0.4MPaの表記があり、中央配管に挿すとフロートが一瞬浮きます。

高流量酸素器具(ネブライザ、ベンチュリーマスク)を使用する場合は、恒圧式の酸素流量計を選択しましょう。

また、流量計の内部には常に酸素配管内圧がかかっているので、使用しない時は必ず外すようにしましょう。

ダイアルタイプ

小池メディカル フロージェントル+

看護師にはこちらの方が扱いやすいようで、人気がある印象です。

オリフィスと言う円盤に穴が並んでおり、その穴の径によって流量を制御しています。ダイアルを回すとオリフィスが回り設定流量が流れる仕組みです。

数字が流量が数字で表記されているので見やすく合わせやすいのが特徴です。

その反面、実際の流量が合っているか確かめることはできません。また、流量計に表記のない流量に合わせることもできません。
例え無理矢理数字と数字の間にダイアルを合わせたとしてもオリフィスの穴がズレているので酸素は流れません。
さらに、使用していくうちにオリフィスがズレたり、穴が広がったりする危険もあります。
その際も目視で確認することはできません。

ダイアルタイプの流量計にも2種類あり、それぞれ対応できる酸素療法器具が異なるので注意しましょう。

低圧式

低圧式は酸素流量計内部の減圧機構により、酸素配管内圧が0.14MPaに減圧されます。

フロートタイプの大気圧式と同じように、流量計内部の圧は低圧なので、高流量が必要な酸素療法器具は使用できません。

この低圧式の流量計には「ネブライザー等との組合せ使用注意」とシールが貼られているので、ネブライザを使用する場合は表示をしっかり確認しましょう。

高圧式

酸素流量計内部の減圧機構で酸素配管内圧が0.35MPaに減圧される物を高圧式と言います。

こちらの流量計は、フロートタイプの恒圧式と同じように高流量が必要な酸素療法器具が使用できます。

この高圧式の流量計には「ネブライザー等との組合せ使用可」とシールが貼られています。
ネブライザを使用する場合は使用可の表示があるものを選びましょう。

まとめ

酸素流量計の種類について理解できましたか。

初めにお伝えした通り、酸素療法器具と合わせて確実に使い分けできるように使用用途別に保管場所を変えたり、わかりやすいよう表示をしたり、院内へおしらせをしましょう。

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